5つの欠片
最後に深い甘いキスをして結羅を腕から解放した。
目の前にある結羅の顔は笑顔で、俺は満たされてた…のに
その瞬間、雑誌の上で鳴り響く携帯。



最悪…
なんとなく誰からかは予想がつく。




なんでこんなタイミングなんだよ…





「ご飯作ってくるね」





結羅はいつもの優しい声でそう言うと、何もなかったかのようにキッチンに戻っていった。




もう…最悪…
ありえない…




仕方なく机の上から携帯を取って開ける。
チカチカと点滅する灯りがメールの受信を伝えていた。




《愛梨》




やっぱり…
またこいつかよ…今度はなに?



俺はいらいらしながらもメールを開いた。




《明日の夜空けといて?美味しいイタリアンのお店予約したの、パパも来るから絶対来てよね》





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