5つの欠片
俺は携帯を開けたままベッドの上に投げ捨てた。
もうむしゃくしゃして何もかも捨てたい気分だった…



手に残る結羅の感触。
耳に残る結羅の声。
唇に残る甘い体温…





近づきたいのに…
遠ざかっていく…





キッチンを見つめると、ふわっと肩にかかるブラウン色の髪の毛が結羅を一層大人に見せた。




俺より8歳も年上の彼女。
余計にまだまだガキだって言われてるような気がして…




結羅にとっては俺なんて所詮遊びの1人でしかないのか…?
それとも可愛い弟ぐらいの存在…?




何も語ってはくれない背中が寂しくて、結羅に近づいた。




まったく俺の気配に気づいていない様子の彼女を後ろからがばっと抱く。
びっくりしたのか結羅は一瞬強ばったけど、すぐ安心したように力を抜いた。





俺は知りたいんだ、結羅のことを
もっと知りたい…






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