5つの欠片
きっとあの瞳をしてるんだろうな…
あの愁いに帯びた瞳…




分かってるけど、今は詩の強がりに甘えるしかない。
何にも言わずに俺を待っててくれる詩に…




もう少しだから…
良い子にしててね…詩…




俺は詩の顔を両手で包んで上に向かせ、腰を少し曲げた。
茶色の瞳がゆらゆら揺れて、胸が締め付けられる…





ごめん…





詩のちっさな唇にキスを落とす。
ゆっくり味わい尽くすように深く…




丁寧に唇を離して笑うと、詩もにこっと笑った。
やっぱり向日葵みたい…
この笑顔は誰にも渡せない…




「和くん…」




甘えたの声が耳に届く。
詩のとろんとした目が俺の目を捕える…




「なに?」



「……もっかい…」



「ふふ…して欲しいの?
 しょーがないなぁ、詩は…」





何回でもしてあげるよ…
詩の気が済むまで……





何回でも…




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