5つの欠片
「はい、できたよ。」


「あ...ありがと...ございます」


「いーえ、はい、お礼にチューは?」




詩の目を見つめると、ゆらゆらと泳ぎはじめた。
戸惑ってる顔がまたとてつもなく可愛い...



そうゆういつまでも恥ずかしがってる所がツボなんだよな。
さっき、もっかいとか言ってたクセに...




「詩、早くしないと時間ヤバいんじゃない?」



「...っもう!
 和くんの意地悪!!」



そう言い終わった瞬間、詩の唇が唇に軽く触れた。
恥ずかしそうにすぐ鞄をもって玄関に向かった詩を追いかける。




詩が靴を履く前に左腕を掴んで抱きすくめた。




「逃げることないじゃん...」


「逃げてなんかないもん」


「俺のこと嫌い?」





答えなんか分かってる。
だけど、あの言葉を言わせたくていっつも聞いてしまう。





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