5つの欠片
緑に変わったスポンジ。
前と変わらない柑橘系の洗剤。



オレンジ色が脳を埋める...
詩の好きな暖色の橙...
白い泡が透明のシャボン玉が目の前で踊る。





変わっていく様子を見れなくても、気づいてやれるように…
俺と詩の心の距離が離れていかないように...





ぱっぱと食器を洗って、洗濯機の電源を入れる。
詩の昨日着てたパジャマやら新しい下着まで…
手に取ると、暖色系の薄いオレンジ色。
いかにも詩が好きそうでちょっと笑える。
俺は全部放り込むとスイッチを押した。





ついでに洗面所で歯を磨こうと思って歯ブラシを取ったら、新しいのに変わってる。
そんな些細なことだけど、心が満たされていくのを感じた。
こうゆうちっさなことって結構大事だったりするから…





詩に想われてるんだなぁ…って実感できる。






その後、掃除機をかけて、洗濯物を取り込んで畳み終わると、ちょうど太陽が真上に昇った時間。
俺はキッチンでいそいそと昼飯を作った。




鍋の中で光る黄金のスープ。
お玉でかき混ぜながら、塩を入れる。
一口味見すると、いつもの味で安心した。




良かった、鈍ってなくて…
詩、大好きだもんなぁ…





最後にとうもろこしを入れて、一混ぜ。
いい感じに混ざった所で火を止めて、蓋をしめた。







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