5つの欠片
夕陽でオレンジ色に染まった栗色の髪の毛をわしゃわしゃと触った。
そして、詩の左手をしっかり掴んで引っ張り詩の部屋まで走る。




もう我慢の限界でしょ…
詩がいけないんだよ?
そんなことゆーから。





散々走って扉を開けて中に入った瞬間に、詩を腕の中に閉じ込めた。
肩で息をする詩の顔を両手で包んで上を向かす。




ゆっくりと唇を重ねようとしたら、詩の口が動いて固まった。
後数センチってところで見つめあう。





「…待って」


「……?」


「…………」


「……なに?」


「亮ちゃんはただの後輩。個展で同じグループなの…。」


「…ふーん」


「和くん……っん…」





詩の言葉の途中で唇を押し当てた。
顎を軽く押して舌を侵入させる…




もういいよ、詩。
そんな不安そうな声出さなくても…
前の時みたいに乱暴にはしないであげるから…





詩の舌をそっと絡めて口内に持ち帰って、時間をかけて十分温めてから放してやる。
すぐに戻っていくかと思った詩の柔らかい舌は俺の口内を散歩した…





マイペースに歯の裏側まで、大切そうに舐めると、たっぷりの蜜とともに帰っていった……





< 86 / 110 >

この作品をシェア

pagetop