5つの欠片
5.大地×千鶴

「蜜」

「あ、亜衣ちゃん髪の毛切ってるじゃん。可愛い」


「ほんとに?ありがとー!!さすが大地くん、気づいてくれたんだー!」


「うん、似合ってるよ。」




俺はそう言って笑ってみせると、テーブルの上に2つカクテルを置いた。
女の子達は目を輝かせてグラスを見つめる。




店長特製のオリジナルカクテル。
オレンジ色と黄色のカクテルが照明に当たって光ってみえる。




「ゆっくりしてってね。」




もう一度笑ってテーブルを後にする。
俺は女の子達の視線を背中に感じながら、奥のキッチンに逃げた。



はぁ、良かった。
あの子達の話しに巻き込まれたら、脱出できないのは経験済み...




「あ、櫂!さっきはありがとね、助かった。」




たまたまキッチンに戻ってきた櫂に声をかける。
さっきの亜衣ちゃん情報の発信源。



俺なんか全くわかんなかったのに、櫂はいっつも本当にスゴい...






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