5つの欠片
「あ、この子麻美って言うの!そういえば、言ってなかったよね?」
お会計を済ませた帰り際、亜衣ちゃんが急に思い出したように言った。
麻美ちゃんという子は亜衣ちゃんに促されて半歩前に出てきた。
「佐伯麻美って言います。よかったら…」
落ち着いた優しい声でそう言うと、遠慮がちに名刺を渡してくる。
「あ、ありがとう…麻美ちゃんね。」
そう言いながら貰ったばかりの名刺を見ると、フィルハーモニー交響楽団…
ってことは、もしかして…
「音大出てるの?」
接客なんて関係なく完全に素の声が勝手にでてた。
麻美ちゃんは一瞬不思議そうにこっちをみたけど、すぐににこっと笑って頷いた。
「うん。専攻は管楽器専修、楽団でクラリネットを演奏させてもらってるの。」
まるで俺が聞きたいことを透視できてるんじゃないかってぐらい、麻美ちゃんは的を得た答えを返してくれた。
「そうなんだ…、実は友達がここの楽団に所属してるからさ、ちょっとだけ気になって。」
真ちゃんも雅也もここの楽団に所属してる。
今はちょっと違う面で忙しそうだけど…
ウィーン留学が終われば、多分和も入るだろう。
峻くんはどうなんだろう…分からないけど、無くもない気がする…
お会計を済ませた帰り際、亜衣ちゃんが急に思い出したように言った。
麻美ちゃんという子は亜衣ちゃんに促されて半歩前に出てきた。
「佐伯麻美って言います。よかったら…」
落ち着いた優しい声でそう言うと、遠慮がちに名刺を渡してくる。
「あ、ありがとう…麻美ちゃんね。」
そう言いながら貰ったばかりの名刺を見ると、フィルハーモニー交響楽団…
ってことは、もしかして…
「音大出てるの?」
接客なんて関係なく完全に素の声が勝手にでてた。
麻美ちゃんは一瞬不思議そうにこっちをみたけど、すぐににこっと笑って頷いた。
「うん。専攻は管楽器専修、楽団でクラリネットを演奏させてもらってるの。」
まるで俺が聞きたいことを透視できてるんじゃないかってぐらい、麻美ちゃんは的を得た答えを返してくれた。
「そうなんだ…、実は友達がここの楽団に所属してるからさ、ちょっとだけ気になって。」
真ちゃんも雅也もここの楽団に所属してる。
今はちょっと違う面で忙しそうだけど…
ウィーン留学が終われば、多分和も入るだろう。
峻くんはどうなんだろう…分からないけど、無くもない気がする…