ピンクの空

 大森はなにも言わない。まだあたしの話が終わってないのわかってるから。



「大森と離れるのも、翠とはなれるのも、2組のみんなと居られなくなるのも嫌だ。1人になるの怖いよ。ばらばらになるのなんて嫌だよ。」




『なつみはさ、大丈夫だと思うけど。だってさ、夏美って存在だけでみんな元気もらってんじゃね??夏美は一人にならないから。俺、保障する。』




たまに大森とは、こうやって深い話する。




普段見れない大森が見れるから、ちょっと嬉しい。






『大丈夫だって。』




大森があたしに笑顔を向けた。




日に焼けた、いかにも野球少年って感じの大森が





あたしに向かって思いっきり微笑んだ。





その瞬間、地球がひっくり返ったんだ。











< 36 / 313 >

この作品をシェア

pagetop