ピンクの空


みんな真剣に先生を見つめていた。



誰かのために・・・



『誰かのために、歌ってください。誰でも良いんです。好きな人のためにでも、伴奏者、指揮者のためにでも、雅也のためにでも、友達のためにでも。誰のために歌いますか?』




先生は、優しく微笑みながら、あたし達に問いかけた。




「あたし、2組のために弾く。」



あたしは迷わずに立って、先生の目をまっすぐ見つめて言った。




あたし、2組のために弾くよ。




2組のためだけに弾くよ。







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