木蓮の咲く頃 -春-
◆プロローグ◆
「コレ?」

「そうだよ。綺麗でしょ?」

「…小さいね。すぐに折れちゃいそう。」

「でも、立ってるよね。」

「ハハッ!それはね。立ってなきゃ。」

「細い幹でも、上を見れば大きく枝分かれして花が咲いてる。どんなに細くても、見方次第で何でも変わるんだよ…。」

「私達も…だね。時間と共に、夢に近付いて、変わってく。」

「でも、幸せだよね。こういう時間も!!」

「…ねぇ、3年後の今日、またココで会おう?」

「…会えるって考えると、3年なんて短いね。」

「高校卒業したらすぐじゃん!!」

「じゃあ3年越しの約束!!合言葉は木蓮の咲く頃に!」

「フフッ!!咲く頃に!」


――3年という時間の流れは、私達の見方を変えた。

見方が変わった―。


私達の友情は、3年の時を越えて
何があったんだろう…


ねぇ―。

木蓮の咲く頃に―。


やっぱりもう、

忘れてしまったの―?
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