君想ふ聖夜
自分の置かれている立場を知った時、聖は自分を女だと思うことを止めた。
そんな決意をした自分をどれだけの人間が受け入れてくれるのか。
性別でなく、人で。
それに今朝、母親が屋敷に訪れた時に東仲は気付いたはずだ。
気付いたうえで屋敷に通した。
言いように動かされている。
だからと言って、聖は自分から動くことはしないのだろう。
暫くして、聖はコンビニに行こうと思った。
いつか静綺が買ってくれた漬け物と白米が売っているかもしれない。