君想ふ聖夜
溜め息を吐いて、品物を棚に戻した。
何も買っていないのにも関わらず背中に「ありがとうございましたー」という言葉をかけられ、コンビニを出る。
仕方が無い、ルームサービスを取るか。
洋食や中華は胃がもたれるから好きじゃない。
でも、食べないと空腹で眠れるわけが無い。
屋敷では絶対に起こり得ない窮地に立たされた聖は、またホテルに戻った。
せめてお茶はあるだろう、と考えてロビーへ聞こうとした。
「聖。」
呼び止められた声に驚き警戒する。