愛玩~夢幻の秘密~

「…分かったから。」


もう、諦めるしかない。


郁人には絶対に知られたくない。


この傷の意味。

この傷の理由。


震える手でゆっくりとボタンを外そうとして、ピタリと手を止めた。


「どうしたの?やっぱり郁人の方がいいでしょ?」

「そうじゃなくて…。」


「そうじゃなくて…なに?」

「…鷹都。」


ポツリと一言。

< 120 / 412 >

この作品をシェア

pagetop