愛玩~夢幻の秘密~
扉の中の幻
部屋の中を見渡しても。
柚夢の言ってた意味が分かんない。
机にベッド。
ソファにテーブル。
難しそうな本ばかりの本棚。
隣の書斎に続くドア。
別に…何もないじゃん。
「柚夢…言いたくなくてはぐらかした?」
はぁ~っとため息ついた。
何もないなら、ここに用事はないし。
いつ誰が来るか分からないから。
部屋に戻ろうと方向転換しようとした。
「…何?」
ドアの横の壁にかけられた鏡の前。
棚の上に置かれた小さなガラスケース。