愛玩~夢幻の秘密~

…ミトレル


そんな言葉がふさわしいかも。


「どうした?」


その言葉にハッと我に返って。


「あっ…初めて笑った顔見て。驚いただけ。」


思わずホンネを口にしてた。


「オレも人間だ。笑う時もある。」


ほら。


また無表情。


「でも…怒ってるイメージしかないから。」


言い過ぎた?


チラッと鷹都の顔をうかがった。


「愛想笑いは疲れるからな。プライベートの時は表情くらい好きにさせてくれ。」

「プライベート?」


なんか。


鷹都からは程遠いイメージ。


「当たり前だ。自分の家でも仕事の顔をするのか?」

「それは…。」


言いかけた。


でも、グッと言葉を飲み込んで。


新しい言葉を必死で探して。


そうじゃないと。


あのことを聞いてしまいそうで。

< 141 / 412 >

この作品をシェア

pagetop