愛玩~夢幻の秘密~

「見ちゃったの。」


それ以上は言えない。


勝手に部屋に入って。


家探ししたなんて。


「そうか…。」


怒らないんだ。


深く突っ込んで聞かれると思ったのに。


「お母さんに復讐でもしたかったの?」


自然と口から出たのはこの言葉。


だから…


こんなヒドイことが出来るんでしょ?


あの写真の説明もつく。


大っ嫌いな家族だったから。


あんなに写真を切り刻んだんだ。


「復讐か…だったら何だというんだ?」


初めて会った時から。


その瞳の中の真っ暗な闇は消えることなんてなかった。


ちょっとでも優しいとか思って。


心を開いたあたしがバカだった。


やっぱり。
< 148 / 412 >

この作品をシェア

pagetop