愛玩~夢幻の秘密~
「どうして?なんで柚夢だけ?」
泣きそうな顔をしながらドンドンと窓を叩くと。
ほんの数センチだけ郁人が窓を開けた。
「同じ会社だから。葵織は方向逆だろ?」
それだけ言うと窓を閉め、車が走り出した。
「だからってひどいよ!!どうせ、柚夢なんか重役出勤のくせに!!」
大声で叫んでも、車は遥か彼方…。
ふくれっ面で渋々と歩き出した。
ポケットから携帯を取り出して。
『郁人のバーカ(-_-)/~~~ピシー!ピシー!』
送信完了。
いいもん。
最近、ダイエットしてるし。
自分を慰めるように言い訳して。
返信の来ない携帯を握りしめた。