愛玩~夢幻の秘密~

「あ…郁人。」


一瞬止まった足が動き出して。


ギュッと抱きついた。


「ど…どうしたんだよ?こんな時間に。」

「ごめん。」


それしか言えないよ。


しっかりと郁人の服をつかむ手。


いっそう、力が入る。


「何があったの?」


心配そうに顔を覗き込むけど。


スッポリと郁人の胸の中に入り込んでる。


「怖い…怖い夢…見た。」


ゆっくりと顔を見上げた。


「そっか…一緒に部屋に戻ろうか。」


優しく微笑んで、温かい手で頭をなでてくれた。


「イヤ…。郁人の部屋…がいい。」


今、あたしの部屋に行ったら、鷹都がいる。


郁人に見られるわけにいかないもん。

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