愛玩~夢幻の秘密~

「…柚夢。」


胸が苦しくて。


呼吸が止まりそう。


「柚夢がどうしたの?」

「友達を妊娠させたって…。」


こんなにいっぱいのウソ。


ギュウウッと胸が締め付けられるのに。


平然とした顔できるあたしって…。


どこまで最低なんだろう?


「それは怖いな。」


郁人のその笑顔。


ずっと見ていたくて。


胸を締め付けるウソが、これ以上口から出てこないように。


そっとキスをした。


閉じた目の中に、郁人の顔なんて見えないけど。


触れた唇から少し驚いてるのが分かる。


だけど…


それはほんの一瞬で。

< 153 / 412 >

この作品をシェア

pagetop