愛玩~夢幻の秘密~
絶対に気づかれないようにしてたのに。
どうしよう?
動揺した心臓が。
全身にズキンと冷たい鼓動を巡らせる。
「苦しいのは、今の郁人の腕だよ。」
笑ってゴマ化すのは無理?
「…ごめん。」
スッと腕の力が抜けた。
ゆっくりと郁人の顔を見上げるけど。
何を知ってしまったのか。
聞くのが怖くて。
「海辺はまだ寒いね。」
なんて本当は寒くもないのに。
ミエミエな嘘をつきながら。
部屋の中に入った。