愛玩~夢幻の秘密~

「もう、ゴマ化すな。」


引っ張られた手。


「な…何が?」


振り向いても、郁人の顔なんかまともに見れるわけないじゃん。


もし。


鷹都とのことを知られてたら。


どんな言い訳も通用しない。


きっと、郁人とあたしが終わるときが来ちゃう。


その話のために。


ムリして休みまで取って、ここに連れてきたんでしょ?


「これ。」


そう言いながら指差した胸。


「え?」


パッと指差す先を見た。


「ここで脱いで…。」


優しく問いかける声も。


今は棘のように、指を刺された胸に突き刺さる。


「い…郁人のエッチ!!」


笑って後ろを振り向いた。


これ以上、平常な顔なんかしていられないから。

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