愛玩~夢幻の秘密~
「うん。待ってる。」
「じゃあ、少し待ってろ。」
ポンと頭をなでると、そのまま部屋に行っちゃった。
「さて、何を着て行こうかな?」
クルリと方向転換してリビングのドアを開けると、自分の部屋に戻って。
大きなクローゼットを開けると、次々に洋服を出した。
「う~ん、久しぶりに郁人とご飯だし…。」
ブツブツ言いながら。
まるで片思いの人とデートができるみたいに。
どれを着たらいいか迷っちゃう。
結局、47分もかけて選んだ服に着替えて。
バッチリメイクして、リビングに戻った。
「郁人…まだ仕事が終わらないのかな?」
こっそり、部屋に見に行こうと思って。
ドアに振り向こうとした瞬間。
ガチャッ…
ドアが開く音がして。
「郁人?」
振り返ろうと視界に入った大きな黒い影。
何で…?