愛玩~夢幻の秘密~

「…。」


言葉にならない。


全くの予測不可能な言葉に。


頭が真っ白とか。


そんな感じじゃなくて。


何かの聞き間違いとしか思えなくて。


「葵織も16歳になった。苦しむようなことはさせたくない。」

「それが…どうして?」


言葉もメチャクチャ。


だって、急すぎるでしょ?


頭がどっかに行っちゃったみたい。


「学校が嫌なら、俺のお嫁さんになってください。」


その微笑んだ顔が。


きっと夢じゃないと思う。


「だって…だって…」


なんて答えたらいいの?


「イヤ?」

「イヤじゃない…けど。」


「イヤじゃないけど?無理?」


ジッと顔を覗き込んだ目が。


少しうるんでる。


「あたし……。」


その先の答えを言うつもりだった。

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