愛玩~夢幻の秘密~
一瞬。
たった一瞬。
脳裏によぎった鷹都のあの言葉。
『見逃してやっている…。』
ドクン
ドクン
急に鼓動が打ち始めて。
体中に張り巡らされてる回路を一瞬にして停止させた。
もし…
もしも、郁人と結婚ってなったら?
見逃してやってるうちに入るの?
お母さんの復讐相手が幸せになることを認める?
でも、郁人と結婚したら。
諦めてくれるかな?
ほんの少しの希望でも。
鷹都との関係が変わるなら。
郁人に答えたい。
「…やっぱり、イヤだよね?」
少し寂しそうな顔で、視線を下にそらす郁人。