愛玩~夢幻の秘密~

「たまには、オレも息抜きくらいしたくなるさ。」


いつもの冷たい笑いを浮かべながら。


あたし達の目の前のソファに座った。


「そうか…でも、アニキがここに来るのは珍しいな。いつもなら海外まで行っちゃうだろ?」

「休みが取れないからな。オレだって急に息抜きぐらいしたくなる時もあるさ。」


笑ってるけど。


明らかに視線はあたしを向いてる。


そんなに監視がしたいの?


「来週には3日くらい連休は作れるけど…。」


郁人がカバンの中から手帳を出して。


予定を確認してる。


…そっか。


郁人は秘書課だった。


だったら鷹都も郁人の行先も分かっちゃうってことだよね。


「郁人だって、突然連休を取っただろ?」

「えっ?」


突然て…。


まさか。

< 175 / 412 >

この作品をシェア

pagetop