愛玩~夢幻の秘密~

「郁人、待って!!」


ここにいたくなんかなくて。


慌てて郁人の後を追いかけようとした。


「恋人ゴッコは楽しいか?」


慌てるあたしの背中に何気なく投げかけられた一言。


振り向いちゃダメ。


足を止めたらダメ。


気づかないフリで走り去らなきゃ。


なのに。


足が勝手に止まって。


ただ…手だけはしっかりと服を握りしめて。


動きの止まった体の中の恐怖が現れてる。


ゆっくりと振り向いた視線の先。


冷たい笑いを浮かべながら。


手帳を見ながらソファに座ってる。


「な…なに?」


震える唇。


「まあ…楽しもうか。」


フッと鼻で笑うと。


手帳に書き込み出した。


なんか。

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