愛玩~夢幻の秘密~
「あたし、郁人と行きたい。」
ボソッとつぶやいた。
「ワガママ言うな。郁人も忙しいんだ。ひと段落ついたら、郁人も海に来るといい。」
「アニキがそこまで言ってくれるなら。ごめんね葵織。」
ポンと頭をなでた。
「…じゃあ、郁人が終わるの待ってる。」
納得のいかない、ムスッとした顔。
だいたい、鷹都となんか、2人っきりになりたいわけないでしょ?
「ほら、郁人を困らせるな。」
引っ張られた腕。
引きずられるように、海に連れ出された。