愛玩~夢幻の秘密~
つかまれた腕。
引き寄せられたカラダ。
「そろそろ…傷も癒えてきただろう?」
背後から耳にかかる低い声。
「やっ…ダメっ……放…して。」
大きな岩が。
壁のように立ちはだかって。
上手く逃げられない。
「…き?…アニキ!?」
えっ?
郁人?
こっちに近づいてくるのに。
鷹都の動きが止まらない。
むしろ、何かを楽しむかのように
「ほら、声を出せば、郁人くんが助けに来てくれるよ?」
耳元でささやく。
そんなのできないの知ってて。
まるで、楽しんでいるでしょ?