愛玩~夢幻の秘密~
泣いてる葵織の顔しか思い浮かばない。
「結婚しても構わないが…神乃木家の結婚相手だ。マスコミが騒がないはずがない。出生を知って、アイツが幸せな結婚生活を送れるとは思わないがね。」
「分かってる。」
痛いくらい分かってるよ。
葵織のことだ。
自分から身を引くだろう。
「…そうか。じゃあ、断りやすい理由をつけてやる。」
窓辺の机の上のバッグの中から、何かを取り出して持ってきた。
「これは?」
渡された写真。
女の人が写ってる。