愛玩~夢幻の秘密~
「郁人!!」
思わず抱きつこうと勢いよく立ちあがたのに。
「…」
顔を見たのは一瞬。
眉間にシワを刻んで。
足早にマンションの中に入ってしまった。
…どうして?
あたしだって、気づかなかった?
そりゃ、いきなりあたしが現れたら。
ビックリするし。
見間違いとか思うよね?
慌てて追いかけたけど、オートロックのガラスドアの向こうで。
エレベーターを待ってる。
やっぱり、気づかなかっただけ?