愛玩~夢幻の秘密~
「…ごめん。約束キャンセルな。」
それだけ言うと、部屋に戻って行った。
会話の意味を聞くことも。
走って追いかけることも。
出来ないくらい混乱していて。
あたしもそのまま部屋に戻った。
お腹のすく感覚もなかったし。
寝てしまえば忘れられる。
きっと、朝になったらいつもの郁人がいるって思ってた。
柚夢が勝手に携帯をいじっていて、怒って追いかけて。
呆れた顔をしている郁人がリビングでコーヒーを飲んでいるって。
そう信じていたのに。