愛玩~夢幻の秘密~
…いない。
部屋の中は静まり返ってて。
朝早くに郁人は仕事に行ったのが分かる。
昨日の事もあったから。
まるで避けられてるみたいに感じて。
とぼとぼとリビングに戻った。
「あれ?郁人くんに振られた?」
ドアを開けた瞬間、ニンマリと笑った柚夢が座っている。
「うるさい。」
今は相手にする元気もない。
「そんな冷たい子には、いいこと教えてあげない。」
まさか…
昨日の話を知ってる?
そうだよね。
柚夢なら知っていてもおかしくないし。
「なに?いいことって。」
不機嫌に答えた。
「どうしようかなぁ~?」
「もったいぶらないで!!」
「聞きたい?」
「聞きたい!!」
少し沈黙すると、チラッとあたしの顔を見た。