愛玩~夢幻の秘密~
「…ねぇ、半分って?」
そういえば。
この家に引き取られたとき。
そんなことを郁人が言ってた気がする。
「ああ、鷹都…アニキと俺と郁人、3人とも母親違うのよ。葵織ちゃんもそうでしょ?」
「…あたしは、1歳くらいには施設にいたから。お父さんもお母さんも知らない。」
「そっか。…お金持ちのよくある内情だよ。」
「それって。」
「アニキは亡くなった本妻との一人息子。俺は父親の高校の同窓会で再開した…愛人の子。郁人は父親の秘書だった女の子供。」
「…あたしは?」
恐る恐る聞いてみた。
だって、小さい時に思い描いていたお父さんじゃなくて。
すごく悪い人。
だから、そこから先を聞くのが怖い。
でも自分のお父さんの事も知りたい。