愛玩~夢幻の秘密~

「柚夢…病院じゃなかったの?」


話を聞かれたことも。


柚夢がまだここにいたことも。


両方に驚いた。


「これ…アニキから。渡すのを忘れてたから。」


そう言って差し出された小さな箱。


「これ…鷹都から?」


なに?


恐る恐る、目の前に置かれた箱を開けてみた。


「イチゴ。白いイチゴじゃない?」


奏凛さんがクスッと笑った。


「…自分が入院してるのに、どうしてイチゴなんか届けるの?」


奏凛さんが笑ったことも。


柚夢がこんなのを届けたのも。


全てにイラつく。

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