愛玩~夢幻の秘密~

鷹都に気づかれないように。


ゆっくりと病室に入った。


靴を履くのも忘れて飛び出したから。


泥まみれの足。


床のヒンヤリした感覚が握ったナイフの手に力が入る。


一歩ずつ、鷹都の眠るベッドに近づくたびに。


ドクン

ドクン


鼓動が高鳴るのと同時に。


チクリ


と、体の真ん中が痛む。


眠っている鷹都のベッドの横に立つと。


ゆっくりと深呼吸した。


これで…

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