愛玩~夢幻の秘密~
「ごめん。」
そう言って腕を振り払った。
急いで郁人の部屋に向かって行くと、ノックもせずに部屋に飛び込んだ。
「あのね…違うから。柚夢が彼女役やって欲しいって言うから。」
何から話せばいいのかも分かんなくて。
いきなりさっきの説明を始めた。
「女の清算なんてなんて、いつものことだろ?」
こっちも向いてくれない。
ただ、静かに話すだけ。
「そうなんだけど…。」
「喧嘩する程、仲がいいって言うしな。」
急にチクリと言葉に棘がむき出した。
「違うってば!!ただ…。」
だから慌てて理由を説明しようとしたのに。
怖い。
昨日の話を聞くのが。
知りたくて仕方ないのに。
聞いたらいけない気がして。
言葉に詰まる。