愛玩~夢幻の秘密~

鋭くとがった言葉があたしを貫いた。


出来るはずなんかない。


こんな奴に。


鷹都なんかのそばにいたくない。


ひざまずいてまで願いたくもないのに。


病室での鷹都の言葉が。


「オマエに殺されるなら本望だ。オレは苦しめることしか出来ない、不器用な人間だからな。なあ、最後にキスがしたいと願ったら、オマエは笑うか?」


そう言って。


かすかに微笑んでいた顔が忘れられなくて。


あの時、暗くてよくは見えなかったけど。


きっと見間違いだと思ったけど。

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