愛玩~夢幻の秘密~
「あの…あの…」
どうしたらいいの?
何を聞いたらいいの?
あたしが戸惑うばかり。
「そういうことか。もういい…」
そう言って、小切手をデスクの引き出しにしまった。
「では、葵織を引き取って帰ります。」
スッと立ち上がると、ゆっくりと頭を下げた。
「いや、しばらくはうちで預かることが条件だ。神楽の名前を出すんだ。それなりの振る舞いが出来ないと困るからな。」
「分かりました。」
「まあ、今夜は泊っていくといい。」
「それではご迷惑では?」
「いや、もう遅い時間だ。交流という事実を作るためにもね。」
「では、お言葉に甘えて。」
一礼をすると、部屋から出て行った。
あたしはどうしていか分からなくて。
慌てて鷹都の後を追いかけた。