愛玩~夢幻の秘密~

「何が可笑しい?」


不思議そうに眉をゆがめた。


「…ううん。柚夢がまともに見えちゃった。」


いっつもイジワルばっかりしていたのに。


郁人よりも。


いつも一番近くで見守っていてくれたって。


一年前に気づかされて。


イジワルしていたのも。


早く心を開けるようにって。


この家になじめるように。


柚夢がイジワルすることで、郁人と心が繋がった。


それに気づいてから、柚夢の顔を見ていなくて。


久しぶりに見た柚夢が、まともに見えちゃって。


思わず笑ってしまった。

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