愛玩~夢幻の秘密~

この低くて。


冷たい棘をさすような声。


「…鷹都。どうして?」


ゆっくりと口を開けた。


「お前の笑顔が見たかった。」


それは。


嬉しいとか。


喜んでいるとかじゃなく。


どこか悲しみを含んでいる。


ゆっくりとほどかれた腕。


あたしは、自然と後ろを振り返った。
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