愛玩~夢幻の秘密~

…ねぇ、郁人。


もう、前のような郁人には戻れませんか?


だって、あたし気づいちゃった。


兄妹だけど…


郁人が好きって。


あの日、出会ったときから。


きっと好きになってたと思う。


だから…

だから…。


急いで郁人の部屋まで走った。


ちょうど、郁人が部屋に入る直前で。


「待って!!」


ダメって分かってる。


でも、引き止めずにいられなかった。


なんとかつかめた郁人の腕。


ギュッと握りしめた。

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