愛玩~夢幻の秘密~
「良かった…。」
あれほど強張っていたのに。
急に郁人の顔が和らいだ。
「よかったって?」
「あの日、アニキに言われた。本当の兄妹なんかじゃない。ただの賭けだったと。」
「賭け?」
「そう…泥まみれのゴミは、どこまで宝石になるかって。でも、期待を裏切ったみたい。」
「それ…あたしはゴミのままって意味でしょ?」
なんか…心が痛い。
兄妹だと思ってたのに…。
違うのは…よかったかもしれないけど。
あたしは泥まみれのゴミ。
鷹都にはそう見えてたんだ。
だから、あんなに冷たく出来たんだ。
「少なくても…俺はそうは思わなかったけど。だから…今まで妹として見てたのに。急に妹じゃないって言われて…。」
急に口を閉ざした。