愛玩~夢幻の秘密~
「だから?あたしを避けたの…。」
うつむく郁人の顔を覗き込んだ。
「いや…認めないように、気づかないようにしてた。」
言葉の一つ一つを選んでるのが分かる。
「認めたくないって…。」
やっぱり、郁人もゴミのままだって思ってたんだ。
だから避けてたのか。
そう思ったら。
さっきまでの嬉しい気持ちが重たくなるのと比例して。
ゆっくりと目を閉じると、じんわりと涙が出てくる。
「いや…止めるモノがなくなったら、歯止めが利かなくなりそうで…。」
耳から入ってくる言葉も。
すぐに涙となって流れてく。
心に止めておいたら、重たくなりすぎて心が無くなりそう。