愛玩~夢幻の秘密~
噴水やバラ園とか…
窓から見える風景は。
絵本の中の世界みたいで。
それだけで興奮しちゃってる。
「おお~、この子がねぇ。」
ジロジロとあたしの周りをうろつきながら観察している初めて見る男の人。
「柚夢(ゆずむ)兄ぃ~。やめろって。」
呆れた顔をして郁人が見てる。
「でもさぁ、兄妹とはいっても初めてだからさぁ。」
王子様みたいな顔とは正反対で言葉は軽い。
「俺たちだってそうだろ?…異母兄弟。」
ボソッと郁人が言った一言は聞こえなかったけど。
その言葉で柚夢ってお兄ちゃんは、何も言わずにソファに座った。