愛玩~夢幻の秘密~
「…で?肝心のアニキは?」
コーヒーを一口飲んで、ため息まじりに柚夢兄が言った。
「今日も帰れないって。」
呆れた顔をして郁人が言った。
「アニキも仕事人間だからなぁ。」
「でも、今日くらいは帰ってきてもいいだろ?」
「郁くんは甘いね。あのアニキが妹が来るくらいで帰ると思うか?」
「…だよな。」
2人が話してるのが一番上のお兄ちゃんで。
本当に家には帰らない人だった。
あたしが初めて会ったのは…。
これから数年後だった。