愛玩~夢幻の秘密~
「久しぶりだね。葵織とゆっくり過ごせるの。」
本当は、あたしだって嬉しいけど。
微妙に距離を取っちゃう。
「そうだね。」
笑顔で答えても、心は落ち着かない。
「どうしたの?いつもならくっついてくるのに。」
不思議そうな顔をして、ジッとあたしの顔を覗き込んできた。
「いやっ…別に。あの…カゼ気味で。郁人にうつしたら悪いから。」
フッと顔をそむけて。
ゴマ化すのが精一杯。
「ごめん。気づかなくて。」
そんな…。
ウソに謝られたら。
余計に心が苦しくなるよ。
…涙。
出てないよね?