愛玩~夢幻の秘密~

「鷹都!?どうして。」


全部コイツのせいなのに。


何を嬉しそうに笑ってるの?


「何を驚いている?郁人が仕事がないってことは、オレも仕事がないってことだ。」


グッと近づいてくる顔。


「…いつも家になんかいなじゃん。」


フッと顔をそらした。


「オレの家だ。いつ帰ろうと勝手だろ?」


耳元で聞こえる冷たくて。


冷酷なその声。


背筋から小さな電流が走ったみたいにゾクッと体が震える。


「だって、今まで…8年近く1度しか見てない。」

「ほぉ~、偉そうな口がきけたもんだ。」


「偉そうなって…」


昨日から急に家に帰ってきて。


本当の事じゃん。


「自分の立場を分かっているのか?」


無理矢理向かされた顔。


頬をつかむ手に力が入って。


ジンワリと痛みが広がってく。

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