いきものがたり
賜る。
地元の会社の下請けだが
お客様の前では、その会社名を名乗る。

お客様からすると私はその会社の社員
にすぎない。

「女の子なのにすごいね。えらいね。」

と言われ、お見積もりのアポイントに
行くとすごく喜ばれた。

「ありがとう」と深々と頭を下げられる。

(いやいや、アポに来ただけなのに……。)


見積もりを頼んでも来てもらえない。

100番待ちと言われた。

2年後まで予約がいっぱいです。

着手金は払ったものの音沙汰なし。


みんな待っている。

信じられない。

よっぽど温厚な方かのんびり
している人たちだと思う。

震災だからしかたないとあきらめ
てるのかもしれない。



見積もりに行っただけなのに
こんなに喜ばれるとは、東京でやってた
リフォーム完工後の「ありがとう。」とは
重みがちがう。


(私…頑張んないと……。)


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