ハチミツ×シュガー



 いきなりの会話乱入者に、真弓と私はお互い目を合わせ二人同時に声の主を見た。



「あはっ そんな固まるなよ〜。冗談だよ、冗談!」

 そう言うと、ケラケラ笑いながら私の隣に座った斉藤くん。


 先週の席替えで、私の右隣が斉藤くん。後ろの席が真弓になった。



「ふーん、冗談かぁ。

 ……ねぇ、楓!合コンしない?」


 真弓がいきなり話を振ってきた。



「何よ急に……嫌よ。絶対に嫌」

 そう言って、私は食べ終わったお弁当箱を仕舞い始めた。
 そんな中、何故か真弓と斉藤くんがギャーギャー騒ぎ始める。



「根性なしっ」
「うるせー!黙れっ」
「悔しかったらハッキリ言いなさいよ!」


「もう!二人ともうるさいっ
 何を喧嘩してるの?」


 私が呆れて聞くけど、二人同時に『別に』と言うだけ。



 ……なんだかなぁ。





「ねぇ!彼方〜」



 突然、私の左隣の彼を呼ぶ声がした。



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